参考:全自動ひずみ率計MAK-600 修理2015/09/05

 以前、目黒電波測器(meguro)製のMAK-600の修理メモをある掲示板に投稿したことがありますが、最近、Googleで検索しても見つけにくいようですから、再掲しておきます。National製オーディオアナライザVP-7720Aと共通するところもありますので参考になると思います。(歪率計で遊びだしてからもう35年以上になります。奥が深いおもちゃです。MAK-600は、昨年廃業した松本無線ジャンクセンターで、片島さんに勧められて購入したものですが、VP-7720Aに乗り換えた折に手放しました。)
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●MAK-600の概要
周波数カウンターのBCDコードで除去フィルターの抵抗を切り替えて自動同調させる歪率計です。
最近のもののようなフィルターの自動微少同調機能は有りません。それを補うために、ウィーンブリッジ回路を2つ直列にして帰還をかけ、除去領域を広げるように工夫されています。また、入力減衰器の直後にAuto Level Controle (ALC)回路をおいてフィルターに常に一定の入力が入るようになっています。

●私の経験した故障、あるいは不調
1.リードリレーが多用されており、その接触不良が生じます。IKUNO製のリレーは入手困難なので、OMRONの対応品に変えましたが好調です。RS4123はLA2(12VDC)にRR4113はLA1(12VDC)に変えました。問題箇所は、FILTERの抵抗を切り替えているPCB-15と17です。また2枚のPCB-16のボリュームを切り替えているリレーも問題です。これらが接触不良の場合、基本波除去ができません。不良のリレーは基板を取り外して、外部電源でON抵抗を測るのが完全ですが、簡便な方法として、動作状態で急冷スプレーを吹きかけて変化をみるのも有効です。
2.ALC回路は不調の宝庫です。まず、ALCの出力が一定になる範囲が狭いという症状。これは、フォトカプラー(電球とCdSの組み合わせ)の抵抗可変範囲が経年変化したためです。抵抗R10を適切化(少し大きく5KΩ位に)すれば一応は直ります。私は、モリリカMCD735(発光ダイオードとCdSの組み合わせ)に変えてしまいました。その場合、発光ダイオードに直列に3〜5.6KΩ入れました。なお正常時ALCの出力電圧は約845mVです。
3.40Hz以下の低周波においてALCの出力の歪みが大きい。例えば20Hzで0.07%。これは、電球を制御するコンパレータからの出力にリップルがのっているためです。時定数を大きくする必要がありますが、R38に並列に0.033μF入れる、C19を増やすなどしてください。特にC18は100Hz未満ONします。これを増やすのも効果ありです。増やしすぎるとALCが不安定になりますからほどほどにします。私は、20Hzで0.025%、10Hzで0.06%にはできました。
4.ALC初段のFET(2SK15)はノイズが大きいので、私は2SK147GRに交換しました。
5.ALCの歪も重要です。もし歪が大きいと思ったらR8とR9を調整してください。私はR8, C2を取り去ってR9=1.6KΩにしました(2SK147GR使用時)が、最終的には2SK163Lと2SJ44Lの組み合わせに変更しました。
6.PCB2のunder検出から高い周波数のノイズ(歪み)を出しています。リサージュで見ているとunderに近づくと歪み波形が尖ってくるのが判ります。私は、under検出もover検出と同じ方式(整流して比較)に変えて好調になりました。
7.周波数カウンターのレンジ切り替え速度が問題です。早すぎても遅すぎてもいけません。PCB-8のR3(KHzレンジ)、R7(Hzレンジ)で調整してください。時計回りに回すとおそくなります。
8.100Hz未満では0.1Hzの桁まで周波数が表示されますが、Frequency Multiplier(PCB-6)で10倍しているからです。ここが不調の場合、100Hz未満が測定できません。R27,R11を調整してください。
9.歪率計の心臓部のFILTER回路ですが、ここにも問題が山積みです。基本波除去特性が甘すぎて2次高調波が正しく測られない時は、PCB-13のR7とPCB-14のR26で2fにおいて95〜99%になるように調整してください。
10.各周波数レンジ(10,100, 1k, 10KHz)でFilter回路(PCB-16)のコンデンサーを切り替えています。このコンデンサーの調整は、小容量のものを並列に切ったり貼ったりして合わせこんでいきます。半田付け時の温度上昇のため容量が変化していますから、気長に行うことが必要です。オリジナルはシルバードディップドマイカが多用されています。温度係数が正のものと負のものを組み合わせる事ができれば良いのですが、私にはできていません。

以上、私なりの対処法を記しましたが、各人の責任でお試しください。また、何か良い知恵がありましたら是非お教えください。VP-7720Aを使ってみると、確かに自動微少同調は強力です。以前、どこかの雑誌で解説記事を見たのですが、原理の詳細が判らなくなっています。たしかウィーンブリッジで位相差と電圧差を無くすようにするのだったような記憶があるだけです。

以上、再掲です。

追記:
目黒(Meguro)のMAK-600のマニュアルにウイーンブリッジ2段継続回路の説明がありました。これによれば、1段の場合、減衰量-80dBにおける通過帯域幅が同調周波数に対して0.03%程度で極めて狭くなるのに対して、2段の場合は、-80dBにおける通過帯域幅は3%と100倍も広くなる との事です。(ただし、実際の回路においては、NFのかかり具合によって、約50倍になっているそうです。)

コメント

_ 黒瀧 清志 ― 2017/03/27 21:08

  黒瀧と申します。教えていただければ大変助かります。宜しくお願いします。
所有しているVP7720Aの400HzHPFのリレーSWの接触が思わしくないのでメーター指針が大きく触れたりフラフラしたりして安定しません。 回路図もないので困っています。 何接点のリレーで交換すればよいのか? 又どの基盤でどのあたりかおしえていただければ助かります。 宜しくお願いいたします。

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