VP-7720A オーディオアナライザ 修理 その72015/09/21

VP-7720A (National, 現Panasonic製)の修理、今度は1号機です。2号機の好調に気を良くして、1号機のさらなる改善をめざして、再調整を始めたのは既述しました。その過程で、新たな問題が発生し、進まなくなってしまいました。どうも寝た子を起こしてしまったようです。
 症状は、自己発振出力を歪率計に入力した場合、1kHzレンジだけが、Distortionの指示値が大きすぎて100%レンジでも振り切ってしまうと言うものです。不思議なことにこの症状は履歴的です。10kHzレンジから1kHzレンジに切り替えた場合は、正常ですが、100Hzレンジから切り替えたり、あるいは1kHzレンジで電源ONすると必ずこの症状です。
 何故振り切っているのか、直ぐに判りました。ノッチフィルター(2段継続)が発振していました。OPアンプU103(LF357)の入力側をオシロでみるとかなり大きな振幅の矩形波が出ています。Monitor Outputで見ると完全に振り切った矩形波です。この矩形波の周波数は、周波数設定で可変できますが、0.500KHz設定で89.3Hz1.000KHz設定で174.1Hz、1.500KHz設定で261.7Hzと比例はしていますが、妙な周波数です。履歴的な症状ということで、始めはコントロール回路を疑っていましたが、2号機のコントロール回路の基板を使っても全く同じ症状です。1kHzレンジだけの異常なので、このレンジだけに関係する部分を順番に疑っていきましたが、判りません。
 ノッチフィルターは、単にフィルターが2段になっていると言うだけでなく、2段目出力側から1段目入力へ負帰還がかかっていますから、そのままで波形を見ていても、どこが悪いのか判りません。
そこで、Analyzer Assy(基板)AとBをつなぐジャンパー線(U11とU13の間にある)を切って様子をみました。まず、Analyzer Assy Aの動作は正常と直ぐ判りました。100Hzレンジから切り替えても10KHzレンジから切り替えても、ジャンパー線(切った)のA側出力に異常は感じられません。(ちゃんと同調周波数で、減衰しました。)次に、ジャンパー線のB側入力に別発振器からの信号を入れて、B基板のチェック端子TP4の出力を調べました。
 10kHzレンジから1kHzレンジに切り替えた場合は、正常に同調が確認できましたが、100Hzレンジから切り替えた場合には、同調が見られません。これで、Analyzer Assy(基板)Aは無罪、Bのどこかが不調と判りました。こうなったら、Bの基板のリードリレーK3の可能性が大ですが、ここにON命令を出している、U18(TD62307)の入出力をまずチェックしようと思います。ということで、今日はここまで。(履歴的になる原因は何?)

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