300Bの怪2022/07/09

最近、真空管300BについてWEBで色々と見ていたところ、不思議な事を書いているページに遭遇しました。
1. 残留雑音が0.1mV未満という300Bシングルアンプ。(しかも、配線がどう見ても初心者。)
某オークションに出品されていました。どんな回路で、どんな測定器で測るとこうなるんでしょう?
いくら直流点火でも0.5mV位が精々なのではと私は思うのですが。
2. 始動時にグロー放電を起こしてバリバリと雑音の出るElectro-Harmonixの300B.
これは、おそらく安易に設計されたアンプですね。直熱管のフィラメントですら温まらないうちに高圧が目一杯かかったんですね。おそらく、ダイオード整流でしょう。(しかも、チョークコイルのインダクタンスも小さいか?) 整流管を使って、ゆっくりと高圧を上げるか、ディレー回路を設けるかすれば解消するのでは、と思いますが。真空管は、家庭用電化製品とは違うので、優しく使って欲しいですね。(始動時のケミコンの耐圧オーバーも心配です。それに又も、グロー放電の誤解。)
 「真空管はデリケートな素子だから、一度放電グセをつけると、始動時に毎回放電する」なんてことは最初に学ぶものですが。例えば、直熱整流管に放電グセをつけることは簡単です。アンプのスイッチをOFFして、球が冷える間も無く直ぐにONすると放電グセをつけることができます。(私は、40年前に2回やって、学習しました。)
補足:真空度が「蛍光が出るような領域」にある真空管の場合、蛍光が安定するまでにプッという音がスピーカーから出ることがあります。特に、長い間寝かせていた真空管で起きることが多いように思います。使っているうちに直ってくることもしばしばあります。真空引き経験者は知っていることですが、蛍光は、真空が悪くなっても、良くなっても出なくなります。