6336Bシングルアンプのテスト その12025/10/01

 いずれOTLアンプを作ろうかと思ってストックしていた6336Bの特性を測り始めました.というのも「無線と実験」のバックナンバーを見ていて2011年1月号の柳沢正史氏の単管シングルステレオアンプを思い出したからです.
 バイアスが80Vと深くドライブが大変そうですが,Vbb=300VのSRPPで何とかなるのではと安易に考えました.下図が回路です.SRPPは12FQ7, 12BH7A, E80CCなどのやや大きめのミニュチュア管を想定しています.
6336Bテスト回路
 いつもの試験用シャーシに取り敢えずの形で組みました.6336Bのヒーター電源は別トランス(6.3V,6A)です.
6336Bテスト機
 後は実機の測定結果を見て決めるつもりでしたが,ドライブ段だけの歪/出力電圧テストで早くも12FQ7は脱落,12BH7AかE80CCということになりました.
 +Bを320Vとして歪特性を測ったのが下の2図です.まず,12BH7Aドライブ.6W付近でかなりの歪の打ち消しが起きています.ドライブの力不足です.
12BH7Aドライブ
 次がE80CCドライブ.こちらの方が歪カーブは自然です.Rk=1kΩとした場合のSRPPにはE80CCが良いのかもしれません.12BH7Aの方が強力なはずですから,Rkの最適化が必要なのでしょう.
E80CCドライブ
 いずれにしろ6〜7Wは問題なく出るようです.特筆すべきは残留雑音の小ささで,12BH7Aドライブの場合約0.25mV,E80CCドライブの場合約0.35mVです.無帰還でこの低雑音はすごいです.それにしても,エネルギーの無駄使いアンプです.ヒーターで32W, プレート損失で24W,1kΩのカソード抵抗で7W消費しています.現状,管球表面温度は最高点で170℃程度ですが,シングルステレオ構成にした場合,何度になるのか心配です.6336Bの許容温度は250℃と高目ではありますが.
 6336Bはバラツキが大きいようですので,E80CCを基本にして複数測ってみます.(在庫16本を測り終えるのはいつになるやら.)