大型真空管 EL51 三結シングルアンプ その5 ― 2024/06/10
EL51 三結(3極管接続)シングルアンプの2号機が組み上がりました.前述したように,801Aパラシングルアンプの部品を流用したので,シャーシには不要な穴が多数あいています.
回路構成はシンプルですから,内部はスッキリとしています.ただ,EL51用のB電源は475VACを整流して作っていますので,オイルコンデンサーは耐圧1000Vのものを,ケミカルコンデンサーは500V耐圧のものを2個直列にし,それぞれにブリーダー抵抗330kΩを付けています.500V耐圧は無駄なように見えますが,ここは十分な余裕を持たせることが必要です.(片側が容量抜けすると,他方に一方的に電圧がかかるので.)
2号機で使用しているEL51はVp=550V,Vg=25.0VでIp=61.5mA流れます(自己バイアスで,カソード抵抗は実測406.6Ω).この時のプレート損失は,34Wで最大許容損失45Wに対して十分な余裕があります.
それでは,雑音歪率の測定結果を見て見ましょう.NFは4dBに設定しました.この時の残留雑音は1.1mV(聴感補正なし)でした.最大出力はこの個体では,約7Wです.その時の歪率は1%を切っています.80Hz, 1kHz, 10kHzの歪カーブがほとんど同じなのは,すごいです.1W時の歪率は,1kHzと10kHzで0.2%,80Hzで0.27%です.負荷抵抗は7kΩですが,5kΩにした方が歪は少し増えますが,最大出力は伸びると思われます.5kΩでも十分低歪に仕上がるでしょう.
心配していた,EL51のB電源のリップルですが,この位の残留雑音であれば,特にコンデンサーの追加は不要なようで,安心しました.
それと,もう一つ.今までに4本のEL51を試していますが,どれも問題なく動作しています.Philips製EL51の信頼性は高いと思います.
次は,1号機を少し改装して,それから試聴して見ます.
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