TC-K222ESA 修理:表示せず,ボタン操作できず ― 2024/07/21
長い間眠っていたカセットテープを聞き返してみたいと思って,中古カセットデッキを探していましたが,このところの高値になかなか踏み切れませんでした.最近ついに,「目立つ傷なし」と称する「私基準では少し傷あり」で不動のTC-K222ESAを約2万円で入手しました.出品者によると,「正常作動していましたが、撮影時に突然表示が映らなくなり、ボタン操作に反応しなくなりました」ということです.どうも電気回路の不調のようですから,それなら何とかなるだろうと思って落札しました.
到着後に確認したところ,確かに表示が出ず,ボタンは一切効きません.早速,電源の確認をしましたが,全てOKです.ただ,5Vの消費電流が少ない感じです(安定化前の電圧がマニュアル記載値より大きい).そこで,基板の5Vとアースラインを中心に再ハンダを行いましたが,効果無しでした.
次に,制御系の4MHzクロックを確認したところ,主基板のクロックが止まっている事に気付きました(4MHzクロックは制御系の主基板と表示部の基板の2箇所にあります).
ネット上にはK222ESAやK222ESLのservice manual(回路図付き)の他,多くの修理情報が見られます.それらによると,表示部の基板にある「リモコンの赤外線受光部」が不調になると,表示がおかしくなったり,勝手に不安定な動作をしたりするということです.それらを参考にして以下の対策を行うことにしました.
1.赤外線受光部ユニットを撤去し,V1838Bと付け替える.
2.主基板のセラロックを新品に交換する.
結果は成功です.表示部は正常に動作していますし,全てのボタンも正常に機能しています.
ネット上にはキャプスタンベルトやモードベルトの弛みが報告されているようですが,幸い本機では問題無いようで,録音・再生時の速度,早送り,早戻しは正常なようです.1992年にSONY TC-RX79を購入した直後に,UD46Metalを使ったチェック用のテープを作っておきましたが,それが役立ちました.これには,20Hz〜20kHzまでの各周波数が入れてあります.
モードベルト交換は厄介そうですが,キャプスタンベルト交換とモーターのケミコン交換はできそうなので,後日実施の予定です.
有益な修理情報を公開してくださっているAudiolife様, nakamura様,昭和カセットデッキ研究所様,うくくっす様他に感謝します.
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